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画像掲示板
PC-TEA フィルム現像処方
2007. 6. 7

JFC会のクスリ博士SCRさんからPC-TEAなるモノクロ現像液の試薬を戴いた。
D-76などでおなじみの無水亜硫酸ソーダもハイドロキノンも使わない処方、
トリエタノールアミン(TEA)とフェリドン、アルスコビン酸(ビタミンC)の3種類のみで出来上がっています。
その処方は次の3薬の溶解混合液となります。(原液200cc分)
フェリドン=0.5g、アルスコビン酸(ビタミンC)=20g、TEA(トリエタノールアミン)=200cc
この頭文字をつなぎ合わせるとPC-TEAとなるんですね。
使用液はこれの50倍希釈になります。 詳しくはSCRさんのHPこちらをどうぞ。  

   

左が原液で、まさに煮詰めた紅茶色、たまたま主薬TEAの略号と一致する色合いであります。
右が現像後の廃液の色で、濃いぃ緑色がPC-TEA、淡い赤茶色がND-76であります。
PC-TEAの廃液の色を初めて見たらびっくりしますよ。 PC-TEAは使い捨て、反復使用はできません。
停止浴と定着は通常のフィルム現像と全く同じプロセスです。
現像前に前浴するかしないかは任意ですが、夏冬には液温やタンクを馴染ませるために私は実施します。

とりあえず私の標準現像処方、NNCのND-76 1:1希釈現像と比べてみましょう。
試写はAGFA APX100をFUJICA GW690に詰め、万博記念公園に行ってきました。
1本目はND-76で、2本目はPC-TEAで現像して比べてみました。
1本目の最後と2本目の最初のコマを同じ被写体にして並べてみました。
ND-76 1:1 23℃ 8分 / PC-TEA 1:50 20℃ 7分
PC-TEAの方が少しネガ濃度が薄くなりました。

これを反転して同じ濃度になるように調整してみました。

PC-TEAの方が暗部がドスンと重くなる感じですね。
今回はネガ濃度が違ってしまいましたので、厳密なところまでは極められませんでしたが、
PC-TEAは実験データより気持ち押し気味にした方がいいかなと思います。
薄ネガですと暗部の落ち方が大きくて厳しい感じがしました。

私の感覚では薄ネガ厳禁、黒ベタ潰れまっせぇというところでしょうか。
薄ネガで黒トーン出すのは結構腹を括ってかからんといかん作業だと思います。
ただ、濃淡関係なくプリントには使いやすいネガができると感じました。

 

では、きちんとスキャンして大きくしたのを並べてみましょう。 左がND-76希釈、右がPC-TEAです。

   

 

別シーンになりますが、「らしさ」の出たコマを少しご紹介します。

先ずはND-76希釈です。

 

次はPC-TEAです。

 

両現像処理での暗部表現の違いが分かる画像を並べてみます。

 

ND-76希釈
木漏れ日の道を撮ったものですが、ND-76希釈のキラキラした描写が気に入ってます。

 

PC-TEA
菖蒲園ですが、花を飛ばさないように露出を決めたので全体的に露光アンダーの薄ネガです。
PC-TEAの黒がべたっとする感じが出ました。


 

当分慣れたND-76で続けようと思いますが、イザとなれば代替でいけそうな気がします。
SCRさん、ありがとうございました。

 

FUJICA GW690 Professional / EBC-FUJINON 90mm F3.5
     
AGFA APX100    ND-76 1:1 23℃ 8分 / PC-TEA 1:50 20℃ 7分

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